公開: 2022年4月24日
更新: 2022年4月25日
多くの経済学者は、2パーセント程度のまでのインフレーションは、中央銀行が公定歩合を引き上げることで、インフレーション率を低く押さえることができると信じている。それを否定する経済学者もいる。しかし、インフレーション率が一定値を超えると、公定歩合(長期金利)を上げるだけでは、インフレーションが収まらない状態に陥る。この管理できるインフレーション率がどの程度なのかについて、定説はない。
2009年のリーマンショック後、先進各国は、金融危機を乗り越えるために、低金利政策を導入し、市場に大量の資金を投入して、景気浮揚を図った。この大量の資金は、金融機関が各国で株式投資をするための資金として利用された。その結果、株価は世界各国で上昇し、リーマンショック以前の水準を取り戻し、それ以上の高値になった。つまり、株価のバブルが起きたのである。この株価上昇が引き金になり、米国では、人件費の上昇が起き、インフレーションが起きている。インフレーション率は8パーセント前後である。
米国政府や米国中央銀行のFRBは、現在のインフレーション率は、管理不能な水準に近づいていると判断している。このインフレーションが起きる以前から、米国中央銀行FRBでは、低金利政策を中止し、インフレーション抑制のために、長期金利を引き上げるべきとする議論が発生していた。しかし、米国社会では好景気が続いていたため、政府内部では景気の低迷を招く、金利上昇政策は好ましくないとする意見が多かった。その議論が続く間に、インフレーションが進んだのであった。